取扱業務

企業法務

日々生ずるビジネス上の法的問題への対応はもちろんのこと,どのようなトラブルが訴訟に発展しているのかを知る立場から,企業規模・業種を問わず,紛争予防の方策をご提案してまいりました。一例として,次のようなものがございます。

創業段階

計画している事業が何らかの法規制に触れるかどうか,第三者の権利を侵害することがないかといったリスクを洗い出し,必要に応じて,監督官庁と調整をしたり,弁理士等の専門家とともにその対応を検討いたします。

会社のガバナンスの基本となる定款や労働条件を定めた就業規則といった規程類の作成をサポートしたり,法改正等に対応して見直しを助言しております。

紛争の予防

商品を販売しても,その代金を回収できなければ,事業の継続は難しくなります。取引基本契約書の作成等を通じて,そのリスクの低減を図ることが考えられます。往々にして,取引の相手方から示される契約書は,自社にとって不利な条項が含まれています。それを見付け,対案を示したり,交渉の仕方等を助言しております。

また,コンプライアンスを周知徹底するため,社内研修等の講師を務めさせていただくこともございます(テーマとしては,コンプライアンス一般,労働法・ハラスメント関係,契約書チェックの実務,クレーム対応,その他ビジネスに関連する法律など)。

紛争発生時の対応

紛争予防に努めていても,紛争を完全に回避することは難しく,訴訟等のリスクを見据えた対応に迫られることがあります。

例えば,適切な与信管理をしていても,いざ取引先が請負代金を支払ってくれない場合には,訴訟によってその回収を図るほか,取引先の財産が処分され,勝訴判決が「絵に描いた餅」になることを防ぐため,仮差押えなどの対策を講じなければならないこともあります。

また,消費者向けの事業を営んでおられる場合,景品表示法,消費者契約法等の法規制に合致しているかを精査しておく必要があります。そのほか,法的に許容されないクレームを顧客から受けるなど,「カスハラ」対応を要することもあります。

さらに,熟考した上で従業員を解雇したものの,わが国の厳しい解雇規制の下では,解雇の有効性をめぐって労働審判を申し立てられたり,訴訟を起こされることは珍しくありません。

従業員が不正に手を染め,刑事告訴をするために社内調査をしたり,損害賠償を約束してもらわなければならない事態もあり得ます。

当事務所では,ご依頼者様と密に協議しながら,必要に応じて,弁護士がチームを組んで対応しております。

倒産等

経営努力を尽くしても,大口取引先の倒産,市場環境の変化等により,事業の縮小やひいては廃業を検討せざるを得ないことがあります。従業員や取引先等の利害関係者への影響も少なからずあり,再生を図ることができるのか,それとも清算しなければならないのか,経営者の皆様にとって厳しい決断を迫られます。そのような局面で,破産管財人等の経験を有する弁護士が,考えられる選択肢等についてともに検討してまいります。

また,中小企業では,代表者の方が金融機関からの借入れ等について連帯保証人となっていることが多々ありますので,個人としての対応(場合によっては,破産等)もあわせて検討することが望ましいです。

▶ 当事務所で取り扱った業種の例
建築業,不動産業,陸運・物流請負業,印刷業,リース業,旅館業,飲食業,卸売業(医療機器,医薬品等),医薬品製造・販売業,小売業(カメラ・情報機器,ペット等),コンサルティング業,医療法人,社会福祉法人,介護事業,学校法人等

個人様

個人様の生活上生じる法的問題等について,ご依頼者様に寄り添って解決策を探ってまいりました。

相続

相続関係について定める民法が大幅に改正されました。自筆証書遺言の方式を緩和したり(施行日2019年1月13日),遺産分割前の預貯金の払戻し制度,遺留分制度の見直し,相続の効力等に関する見直し,特別の寄与等の規定が設けられたり(施行日2019年7月1日),配偶者居住権及び配偶者短期居住権の新設等(施行日2020年4月1日),多岐にわたります。亡くなった後,親族間で争いが生じないように配慮した遺言書の作成を助言したり,そのご遺志を実現するために弁護士が遺言執行者に就任することもございます。

万が一,争いが生じてしまったときには家庭裁判所に調停を申し立てるなどして,解決に努めております。

離婚

当事者間の感情の対立が厳しくなりがちな事案の一つです。弁護士が代理人に就くことで,無用な感情的な対立をできる限り和らげるとともに,親権者,養育費,財産分与等の多岐にわたる法的問題の整理に努めております。

損害賠償請求等

例えば,インターネット上の掲示板で名誉を毀損された場合,それを投稿した加害者を特定しなければ,損害賠償を請求することすら叶いません。しかしながら,任意に加害者の住所,氏名等を開示するよう掲示板管理者に求めても,応じてもらえるとは限らず,裁判上の手続を要することがあります。

多発する交通事故も,典型的な損害賠償請求の事案であり,不法行為法における議論を深化させています。

当事務所では,考え得る手段を講じながら,権利侵害の救済に尽力しております。

刑事・少年事件

捜査機関(警察,検察等)に罪を犯したと疑われた場合,弁護士が「弁護人」となって,適時,的確な防御活動に尽力しております。

捜査段階(起訴前)では,被疑者として逮捕・勾留されることがあり,弁護人との接見が防御活動の第一歩となります。捜査機関による取調べにどのように対応すればよいのか(黙秘権等の被疑者の権利供述調書への署名指印を迫られたときにどうすべきかなど),当方で得られる証拠はないかといったことを検討し,事案に応じて,検察官が起訴しないようにするための活動,勾留が延長されないように不服を申し立てるなどの早期に身体拘束から解放することを目指す活動を中心に取り組んでおります。被疑事実を認めている事案では,対話を通じて反省を深めたり,被害者との関係修復に努めることもあります。

公判段階(起訴後)において,公訴事実を争う事案(否認事件)ではとりわけ,検察官が有罪を立証するために請求してきた証拠を吟味し,検察官の手元にある証拠の開示を求めるなどして,合理的な疑いを差し挟む余地がないか,事実(証拠)及び法律上の観点から精査します。情状が主な争点となる事案では,同じ過ちを繰り返さないためにどのような事情があるといえるかを的確に立証できるように努めています。実効的な弁護活動をするには十分な打合せが大切であり,保釈を請求するなどして,捜査段階と同様に身体拘束からの早期解放を目指しています。

少年事件(20歳未満)では,弁護士は,「付添人」として,成人の刑事事件とは異なった観点から活動することが求められます。罪を犯した少年のみならず,罪を犯していなくても,一定の事由により「その性格又は環境に照して,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をする虞(おそれ)」がある少年も,家庭裁判所の審判に付されることがあります(少年法3条1項)。審判を行うために家庭裁判所が必要であると認めれば,少年鑑別所に送致して(観護措置),医学,心理学等の専門的知見から鑑別するほか,家庭裁判所調査官に少年,保護者等の調査をさせることがしばしばあります(少年法8条2項,9条)。罪を犯したかどうかだけでなく,その少年にとっていかなる生活環境を整えるべきかなど,幅広い視野に立った活動に努めております。

▶ 取扱事例